01フラーレンの抗酸化が継続する理由とは?
フラーレンの抗酸化力が継続する理由とは?構造の秘密や性質について解説
お肌のエイジングケアが期待できる「抗酸化成分」であるフラーレンをご存知でしょうか? 美容液や基礎化粧品に配合されていることで有名で、なんとなくお肌にいいイメージがありますが、フラーレンの正体や働きはわからないという方が大半です。
フラーレンとはシミやシワなどの肌老化の原因となる活性酸素を無害化する、凄い抗酸化力を持っています。 その構造がサッカーボールのような球状をしていて、肌に優しくとどまり、活性酸素やフリーラジカルから電子を奪うことで無害化したり、フラーレンがフリーラジカルを吸着することで無害化するといったメカニズムが考えられています。
この文章では、フラーレンの構造の秘密から、美容において期待できる効果まで詳しく解説します。
是非最後までご覧ください。
フラーレンとは
フラーレンとは、閉殻空洞状の多数の炭素原子のみで構成される、クラスターの総称です。もっとも有名なフラーレンは炭素の原子がサッカーボール状に60個結合した正二十面体の構造をしていて、化学式はC60と表されます。ここではこのC60フラーレンをフラーレンとして扱います。 原料自体は黒い粉末で、水にも油にも溶けない性質を持っており、化粧品原料としてのフラーレンは2005年に日本で開発されました。 フラーレンは、水溶化フラーレン、油溶化フラーレンなどに加工され、化粧水・美容液・クリームなどに配合されています。 高い抗酸化作用があり、それにより期待される美容効果には、美白、老化防止、シワ抑制、ニキビ予防など、非常に広範囲のため、美容成分としての認知度はこれからさらに向上しそうです。 フラーレンの美肌効果は多くの臨床試験により科学的に証明されていて、これまで10年以上にわたって皮膚科などで使われてきた実績から、安全性が高いことも評価されています。
フラーレンの構造と性質
フラーレンと同じ炭素でできた物質として有名なのは、ダイヤモンドや鉛筆の芯になる黒鉛です。これらは、原子は同じでも性質は異なる物質として「同素体」と呼ばれます。 同じ炭素の集合体でも、原子の配列や結合などの違いにより、全く異なった性質であることがお分かりですよね。 そしてフラーレンには大きく2つの特徴があり、一つ目は、「抗酸化力が強く長続きすること」。二つ目は「紫外線やストレスで増えたお肌の活性酸素を無害化し、シミやしわなどの原因から肌を守ること」で、加齢や紫外線に負けない強いお肌を作る手助けをします。
ビタミンCの100倍以上の抗酸化力
紫外線により肌がストレスを受けると、表皮の活性酸素が増えて肌を酸化させ、老化が進行してしまいます。 こうした肌の老化に対抗するためには、抗酸化力のある成分を表皮に補うのが効果的です。 強い抗酸化力で知られるのはビタミンCで、サプリメントやスキンケア製品などによく用いられていますが、フラーレンはビタミンCのなんと100倍以上の抗酸化力を有すると報告されています。 つまり、細胞の老化を予防して肌のハリを保ったり、シミなどの色素沈着を抑制したりといった効果が期待されているのが、この「フラーレン」です。
持続性の秘密は構造にあり
化学式C60のフラーレンは、炭素原子が60個結合した構造をしており、まさにサッカーボールと同様に内部は空洞ですが安定した強度を持っています。 したがって、そう簡単にはフラーレンの構造が壊れることはなく、周りの細胞を痛めたりすることはありません。 それどころか、フラーレンは肌に長くとどまり、肌細胞を酸化させる活性酸素を分解して無害化したり、サッカーボール状の構造体の内側に活性酸素を格納し、肌に寄せ付けなくしたりする働きを持っています。 まさに、お肌の守護神ですね。
発見者のノーベル賞受賞
フラーレンが発見されたのは1985年のことで、発見者は宇宙空間の物質を研究していたアメリカのライス大学とイギリスのサセックス大学の研修者グループです。 天然のフラーレンは岩石の中に含まれる非常に希少な物質で、球体の美しい構造が研究者を虜にしました。 フラーレンの発見以前よりC60構造体の存在は予測されていましたが、科学者たちはC60の構造体の存在証明を試みるも長年成功までは至らず、C60構造をしたフラーレンの発見は全世界が驚く大発見でした。 発見した3人の研究者、ハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールはその世界的な功績が認められて1996年にノーベル化学賞を受賞しています。 実はフラーレンは、1970年に京都大学の大澤映二助手(現ナノ炭素研修所社長)が、幾何学計算などからC60の存在の可能性を予測していました。残念ながらノーベル賞は逃しましたが、日本人とも深く関係する物質と言えます。
フラーレンの取り入れ方
フラーレンには、「水溶タイプ」「脂溶タイプ」「パウダータイプ」「保湿・浸透特化型タイプ」「サンケア特化型タイプ」「ヘアケア特化型タイプ」があり、それぞれの特徴は以下の通りです。 ・水溶タイプ:肌への浸透力が高く、いろいろな使い方ができる ・脂溶タイプ:肌の保湿をキープするオイルやクリームなどで利用でき、肌の表層などの浅い部分で働く ・パウダータイプ:ファンデーションやパウダーなどで利用でき、肌の表層で働く ・保湿・浸透特化型タイプ:肌の角質より深い層に浸透して働く ・サンケア特化型タイプ:紫外線吸収能をアップさせ、日焼けによる赤みを低減させる ・ヘアケア特化型タイプ:毛髪の保護と補修効果があり、髪に浸透して働く このように、ご自身の肌質をよく理解した上で、フラーレンのタイプそれぞれの特徴を活かしたスキンケアやヘヤケアを行うことが大事です。 ただし、フラーレンは薬ではないので、即日効果が感じられるというよりは、毎日使い続けることで効果が見えてきます。 数ヶ月間欠かさずお肌にフラーレンを与えることで、肌本来の力によりハリと潤いが戻ってくることが実感できるはずです。
フラーレンを使った化粧水やクリーム
このように、フラーレンは細胞の老化を予防して肌のハリを保ったり、シミなどの色素沈着を抑制したりといった効果がありますが、フラーレンコスメは値段が高いのが課題です。 ウェルエイジングコスメ キサラギでは、フラーレン配合の「キサラギローション」と「キサラギクリーム」を、お求めやすい価格でご提供しております。 フラーレンコスメにご興味のある方は、是非一度試してみてください。
フラーレンには「ハリを保つ」「美白」「ニキビ予防」などの効果
加齢によってできるシワは、乾燥肌や保湿不足のほか、皮膚のハリ不足でも引き起こされます。 フラーレンは活性酸素の活動を抑制するため、肌のハリを維持してシワの形成を抑制するのが特徴です。 活性酸素は皮脂の過剰分泌を招いてしまい、さらに皮脂が酸化され固まると毛穴の角栓や黒ずみの原因になってしまいます。また活性酸素はメラニン生成を助長するため、皮膚内側のシミの原因にもなりかねません。 フラーレンの活性酸素の抑制機能によりこれら黒ずみやシミの原因が抑制され、白く明るく透き通る肌へと導きます。 さらに、毛穴の引き締め効果をもたらし、ニキビ予防にも効果的です。 その他フラーレンには、アトピー抑制、炎症緩和、セルライト抑制など、様々な効能が期待される成分と言われています。
フラーレンロゴマークの基準・配合量
フラーレンを規定値(1%)以上配合した化粧品には、フラーレンロゴマークを表示することができます。 フラーレン原料は主に4種類あり、ロゴマークにはフラーレンのサッカーボール状構造と、原料名のイニシャルがデザインされています。
略称 | 名称 | 特徴 |
R.S. |
ラジカルスポンジ(Radical Sponge) |
刺激の少ない水溶性フラーレン |
L.F. | リポフラーレン(Lipo Fullerene) | 油分の多い化粧品に配合 |
M.F. | モイストフラーレン(Moist Fullerene) | 抗酸化力に加えて保湿性や浸透性を加えたもの |
V.F. | ヴェールフラーレン(Veil Fullerene) | パウダー化したフラーレン |
S.F. | サンガードフラーレンN(Sun Guard FullereneN) | 紫外線吸収剤に分散されたフラーレン |
H.F. | ヘアシャイニーフラーレン(Hair Shiny FullereneN) | 髪への浸透性を高めたフラーレン |
※ロゴマークと原料名は開発メーカーであるビタミンC60バイオリサーチの商標登録です。
化粧品にフラーレンを配合する濃度は1%から多いもので5%ですが、1%の配合で効果としては十分だと言われています。ロゴマークを表示できる基準が濃度1%以上になっている所以です。 他に、R.S.とL.S.両方ともに1%以上配合している製品に使用が許される「ダブルフラーレンマーク」もあります。 また、サンケア用フラーレンとして「S.F.」、ヘアケア用フラーレンとして「H.F.」という表示もあるので、お使いの化粧品にフラーレンが含まれている場合はチェックしてみてください。 植物由来フラーレンも開発されています。 こちらは「Natural Fullerene」という表示が可能です。
フラーレンは他の抗酸化成分と一緒に取るとさらに効果的
フラーレンの高い抗酸化作用をサポートする成分の一つがビタミンCです。 ビタミンCも抗酸化成分の一つで、活性酸素の除去やニキビの色素沈着の防止・メラニン色素抑制など様々な効果が期待されています。そのため美肌や美白の為には欠かせない成分と言えます。 フラーレンはこのビタミンCと一緒にとるとさらに効果的で、これをバランスよく配合した化粧品が人気です。
ビタミンC誘導体・美肌エキス
ただし、ビタミンCは空気に触れると酸化しやすく、水に溶かすと活性を失い、またビタミンC自体が肌への吸収がされにくいという性質を持っています。 この美肌効果を得るためには、いかに皮膚内に届けて活性化できるかが、問題となっています。 そこで、このようなビタミンCの弱点を改良した物がビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体は、角質層への透過を良くし、肌に吸収されてからメラニン色素に近い距離で酵素反応によってビタミンCに変化し、しかも長時間活性を持続する性質があります。 さらに、抗酸化力には相乗効果があるので、ビタミンC誘導体や抗酸化力のあるエキスと同時利用するのもオススメです。
まとめ 〜フラーレンの性質を理解して、フラーレンコスメを試してみよう〜
肌老化の大きな原因は、紫外線で増えた活性酸素による肌の酸化や、皮脂の過剰分泌によるものです。 フラーレンとは、その活性酸素を無害化する性質を持つお肌の強い味方と言えます。 紫外線は年齢を重ねるほど肌へのダメージが蓄積してくるため、美肌を保つための活性酸素対策やエイジングケア・スキンケアはできるだけ早めに取り掛かった方が良い結果が期待できます。 また、すでにダメージを受けてしまった肌は、直ぐにはよくなりません。 ゆっくりと時間をかけてケアしながら、「ヒト脂肪幹細胞培養液」など肌の組織を活性化する成分も取り入れるのが効果的です。 本当にフラーレンに美容効果があるのか、また自分の肌に合っているのか試してみたい方は、是非フラーレン・ロゴマークのついた成分たっぷりのコスメを試してみることをおすすめします。