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新型ホルター心電図のご案内

病院に来なくても装着できるホルター心電図

当院では、新型のホルター心電図(不整脈を検出する診断装置)を導入いたしました。それは、患者自ら装着可能な着衣型心電計測システムによる長時間心電検査です。これは、慶應義塾大学病院とゼノマ社が共同開発したものです。

患者自ら装着可能な着衣型心電計測システムによる長時間心電検査を実用化-医療機器の保険適用開始-:[慶應義塾] (keio.ac.jp)

動悸を自覚した時の心電図を記録することは、不整脈の診断で非常に重要です。今では、そのためにアップルウォッチや携帯型心電計などが開発され、気楽に心電図を記録できるようになりました。しかし、ちょっと気になるだけなのに、高価な機械を購入することはためらわれます。

以前から、そのような自覚症状を記録するための診断機器が存在していました。それは、ホルター心電図といわれ、病院にて心電図を身体にとりつけ、24時間活動し、翌日に病院に持参して取り外し、機械に記録された心電図をコンピュータで解析するものです。この機械を発案者であるノーマン・ホルター博士の名前にちなんで、ホルター心電図と言います。昔は、装着中は入浴、シャワー浴はできませんでしたが、今では、シャワーも、入浴もできるようになりました。

ホルター心電図とは.pdf

非常に診断価値が高いもので、自覚しなかった不整脈を検出したり、動悸の原因を特定したり、症状の解明に役立ちます。非常に有用な検査なのですが、取り付けるために来院し、また取り外すために再来院しなくてはならないという不便さがありました。また、患者さんの都合に合わせて取り付ける(運動する予定があるとき、ストレスが多い会議があるときの心臓を観察したいという患者さんの予定など)ことは、なかなか難しいのが実情でした。患者さんが自分でこのホルター心電図を取り付けて、記録できれば、はるかに診断的な価値が増加します。

この新型ホルター心電図はそのような需要を考えて考案されたものです。慶應義塾大学医学部循環器内科の不整脈グループと株式会社Xenomaが共同開発しました。一言でいうと、着衣型ホルター心電計ということになります。電極がついたベストを着用することにより、患者さんが自らホルター心電図を取り付けることができ、患者さんが希望した時間に記録ができるという装置です。ただし、この着衣型ホルター心電図は、防水になっていないので、普通のホルター心電図のようにシャワー、入浴をすることができません。入浴前に脱いで、入浴後に着替えていただく必要があります。

e-skin ECG | 患者・受検者の皆さまへ | 株式会社Xenoma

私は、このホルター心電図の開発に全面的に協力し、実用化をお手伝いしてまいりました。そして試用した結果、十分に使用できると判断しました。現在、当院では、この着衣型ホルター心電図と、従来のホルター心電図の2つを患者さんの状況に応じて使用しております。

動悸が気になる方は、お気軽に受診なさることをお勧めします。

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