理念と基本方針
ウェルエイジング日本橋クリニックの理念
私たちは、標準治療から最新医療までの幅広い選択肢の中から、患者様にとって最善の医療を選択し、責任をもって提供すること、さらに、患者様が希望する医療も誠意をもって提供することを心がけています
私たちの目標は、患者様の安心と信頼と満足です。
そして、私たちは、患者様にわかりやすく丁寧に説明し、納得のいく医療を提供することを心がけます。
患者様に寄り添った心のこもった医療が、私たちが求めるものです。
私の診療はNBMです
私の診療の基本は、NBM(Narrative Based Medicine)です。聞き慣れない言葉ですので、少し説明いたします。また、NBMとは、豊富な経験に裏打ちされた医師の直感を大事にした、経験に基づく医療ではありません。EBMに裏打ちされた、より一層、患者に歩み寄った患者本位の医療のことです。EBMと対峙したものであると誤解なさっている方もいますが、そうではありません。
EBM (Evidence Based Medicine)
EBMは現代医学の基本です。30年前に、私が最初から最後まで一人で執筆した循環器の教科書「循環器内科マニュアル」は、EBMを循環器内科で推進したもので、循環器内科の世界では、当時のベストセラーになりました。それはそのころ、EBMを実践した医療が日本に根づいていなかったからです。そんな時代には、EBMは斬新で、画期的でした。私も若いころから、率先してEBMを実践してきました。
EBMは「科学的根拠に基づく医療」を指しています。その昔、お医者さんは、自分の経験から診断をして、薬を調合していました。だから、経験が多い医者の方が信頼されていたのです。しかし、それは、あまり科学的とは言えません。昔は、医師によって治療が異なることが普通でした。だから「あの先生に診てもらうとよくなる」とか、「あの先生はやぶ医者だ」などということが囁かれたのです。日本でも、関西と関東では、考え方が異なったり、日本と海外で異なったりということがざらでした。
有名な話が、乳がんの治療です。わが国では拡大乳房切除(ハルステッドの手術)が長いこと日本の乳がん手術の基本でした。私も、学生時代には、乳がんはこの手術を行うことが基本であると教わりました。しかし、海外ではこの手術は術後の機能障害が多いので、乳房温存手術が主流になっていたのです。これは、どちらの手術でも生存率に差がないことが証明されたためです。しかし、我が国では、癌はなるべく大きく摘除することがより安全で効果的であるという信仰があり、拡大乳房切除が行われていたのです。確かに、しっかり癌を取り切るという点では、拡大切除の方が、より効果的である考えるのは自然だと思います。しかし、無作為割付研究の結果は、どちらも変わりはないということでした。
日本における乳がん治療の常識は、EBMではなかったのです。それを指摘したのが、慶應義塾大学の近藤誠先生でした。近藤先生はEBMという視点から、乳房温存手術を推進したのです。近藤先生は、その後、さまざまなことに対して、現代の医療を批判していましたが、的外れなことも多かったようです。しかし、このことだけは、近藤先生の素晴らしい業績であったと思います。
無作為臨床比較試験を実施し、バイアスを除去することにより治療効果を科学的に証明することが、その治療効果の科学的な裏付けであるのでこれをエビデンスと称し、それに基づいた医療がEBM(科学的根拠に基づく医療)ということになるのです。統計学は医療にエビデンスというお墨付きを与えました。
だからと言って、患者の意思を尊重せずに科学的根拠だけを強く主張して治療を強行することは、真のEBMではありません。EBMとは、科学的根拠のみを判断の指標としているわけではないのです。疫学的に証明された「科学的根拠」と言っても、あくまでも一般論、確率論としての情報で、すべての患者にはあてはまらないのです。今までの慣習や、思い込みを排して、科学的根拠に基づいた判断を基本にすることだけではなく、患者の年齢、価値観、医療環境を考慮して決めていくというのがEBMなのです。
NBM (Narrative Based Medicine)
Narrative Based Medicineは、「対話に基づく医療」です。英国のプライマリ ヘルス ケアの教授であるTrisha Greenhalgh先生が提唱している医療です。彼女は、根拠に基づいた医療(EBM)をさらに推し進めて、患者との対話をより重要視することを強調しています。つまり、患者が語る物語を拝聴し、その物語の中でふさわしい医療を提供するという考えです。患者の物語というのは、患者の人生です。この中には、患者自身の価値観、人間関係、経済事情、生活環境などが入り込んでいます。それをしっかり受け止めて、科学的根拠を参考にしながら、もっともよい選択をすることがNBMになるのです。
ガイドラインの医療を押し付けるのではなく、患者さんの生活、価値観を尊重し、患者の人生にとって最良の方法を医療者が提案し、提供することが大切なのです。患者には、患者の人生があり、物語があります。それを医療者は共有した上で、患者が納得するまでわかりやすく説明し、心をこめて提供することが、対話に基づく医療です。
当院の診療姿勢
EBMもNBMも、主張していることは同じようなことです。EBMというと、ガイドラインに準拠した医療であると誤解している方が多いようですが、上述したように決してそのような融通の利かない医療ではありません。NBMは、経験に基づいた、非科学的な医療であるとお感じになる方もいるかもしれませんが、決してそのようなものではなく、科学的な事実に裏付けられた医療であることに変わりはありません。強いて言えば、NBMは患者と医療者の対話をより重視することになるのです。EBMをさらに推し進めたものがNBMであるとお考えになってよいと思います。大学病院に勤めていた時には、このような対話をする余裕はありませんでした。ようやく、このクリニックでそれを実践できるようになったと思っております。当院のウェルエイジング医療は、患者さんとの対話を重視した医療を実践するようにいたしました。当院では、医療スタッフ全員が患者様との対話を重視し、NBMを実践するように心がけております。
基本方針
01 患者様の自己尊重
高齢者の人生を尊重し、活動レベルにふさわしい医療を提供します。
患者様の人生観を拝聴し、哲学に合った医療を提供します。より高い満足の追及も可能な限りお手伝いいたします。
02 誠実な医療
常に患者様に向き合い、あらゆる可能性を検討し、最高の結果を目指します (高齢であるだけで、選択肢を最初から排除することはいたしません)。患者様のためであれば、最大限の成果を得るために、あらゆる可能性を追求することを厭いません。
03 科学的な選択
患者様の人生を尊重し、活動レベルにふさわしい医療を提案します。
(しかし、あくまでも患者様の意思を尊重する姿勢を守ります)
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